小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
通級指導教室における2E教育の取り組み
岡田 克己
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2020 年 60 巻 1 号 p. 38-49

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抄録

横浜市は,2017年度より文部科学省の研究委託を受け,新たな通級指導教室「コラボ教室」を小学校に開設した.本教室は,発達障害等により学校生活への適応が困難である児童に対し,障害による学習上や生活上の困難の改善・克服を目標とする従来の自立活動の指導の視点に加え,子どもたちの強み(興味関心や認知的強み)を生かす教育という新たな視点に立つ.平成30年度は小学校3~6学年までの男女全18名.全児童のIQの値による知能評価の基準は,平均の上から平均より非常に高いまでの範囲にある.本教室では,「専門分野」「社会性」「自己理解」の3つを柱に指導内容を構成した.また,各児童に対し,「通級型指導」「専門分野の特別指導」「巡回型指導」「本人参加型会議」の4つの指導形態を併用し,指導を展開した.これらに取り組むことで,全体的に社会性・適応行動面に肯定的な変化がみられ,自己理解の深まりが得られた.

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© 2020 一般社団法人日本小児精神神経学会
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