2023 年 29 巻 p. 569-574
土石流やそれに伴う土砂・洪水氾濫の被害軽減のためにはこれらのきっかけとなる山地斜面での地下水位変動を明らかにする必要がある.本研究では山地斜面における岩盤内・表層地下水位の降雨に対する変動特性を岩盤内・表層地下水位の観測を行い,地下水位変動と実効雨量の相関から,地下水位変動の時間スケールを評価し,考察した.そして,降雨に対する水位変動の遅れ時間と実効雨量の半減期が地表面からの地下水位で表されることを明らかにし,降雨から表層,岩盤内地下水位を予測するモデルを構築した.このモデルを用い,岩盤内地下水位の長期的な変化を予測できることを示した.また,山地斜面の岩盤内地下水位の変化を明らかにすることで,山地貯留量と流出予測における新たな知見を示した.岩盤内地下水位の高低で半減期の大小が変わり,地下水位が低いときは半減期が大きくなるため河川への流出量もそれに伴い小さくなることを明らかにした.