抄録
注意欠如・多動症(ADHD)への薬物療法では主に行動面の症状改善によって効果判定がなされるが,学習面,特に学習態度に与える影響は明らかではない.そこで通知表を利用して投薬による評定・評価の変化を検討した.薬物療法を受けている39名の小学生のADHD患児を対象として,学校から配布される通知表を投薬前後で二度回収し,評価の変化を分析した.国語・算数・体育の「関心・意欲・態度」の評価が投薬前に比べて投薬後では有意に高くなった.理科や社会など他の科目では評価の変化が認められなかった.投薬により学習意欲や態度が改善され,それらが教員から評価され,評価が向上したと考えた.