抄録
DSM-5・DSM-5-TR(以下,DSM-5-TR)とICD-11は,お互いにできるだけ調和を図ることを意識して編纂されている.神経発達症群においても,その考え方が適応されている.神経発達症群に含まれる主なカテゴリーは,表現に多少の違いはあるものの,基本的にDSM-5-TRとICD-11では同じと考えてよい.主カテゴリーの下に位置づけられる下位分類あるいは下位カテゴリーは,ICD-11がDSM-5-TRよりも多く,一見,かなり異なっているように見える.しかし,内容を見ると,DSM-5-TRでは診断名とは別に記載することとなっている特定項目が,ICD-11ではその項目名を付けたカテゴリー名(診断名)としてリストされていることが分かり,下位構成も内容的にはほぼ同様のものとなっている.個々のカテゴリーに関する解説は,DSM-5-TRの方がより詳細で具体的であり,臨床においては,DSM-5-TRを基本的としながら,適宜,ICD-11を参照するのがよいと思われる.