2023 年 39 巻 1 号 p. 9-13
肝芽腫の多施設共同研究を基盤とする臨床試験において,初診時に正確に腫瘍の進展(PRETEXT)を診断することは患者を正しいリスク群に振り分け適切な治療を行ううえでは極めて重要である.また,外科治療の方針決定にも正確な画像診断が求められる.このため,臨床試験を成功させるためには精細な画像診断に基づく質の高い画像診断が必須となる.近年JCCG肝腫瘍委員会では遠隔画像診断システムを利用した中央画像診断が全例に対して行われ,正確なリスク分類と効果判定が担保されている.さらにこれらの画像情報に基づく外科療法コンサルテーションに取り組んでいる.これらの取り組みは世界に先駆けたものであり,画像診断と外科治療の標準化が求められる今後の国際共同臨床研究において必須のものとなると考えられる.