2025 年 41 巻 1 号 p. 59-63
造影剤には様々な種類があり,日常診療に欠かせない存在である.造影剤の使用は画像検査に有益な情報を加えることが多いが,使用に伴う一定のリスクがあり,造影剤毎に使用用途が決められている.安全に検査を施行し,検査をうけた患児が最大限の利益を得るためには,造影剤使用の必要性について検討し,禁忌や使用にあたっての重要な注意事項を正しく理解している必要がある.そのためには,造影剤の安全性に関する重要な情報を定期的に更新し,知識をアップデートすることが重要である.本稿では,CTに用いるヨード造影剤とMRIに用いるガドリニウム造影剤を中心に,造影剤使用の適応や使用の際の注意事項,副作用などのリスクといった基本的事項に加えて,小児特有の注意点や造影剤使用の考え方について述べる.