日本小児放射線学会雑誌
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症例報告
多発性の毛髪胃石を形成したRapunzel症候群の1例:超音波検査におけるtwinkling artifactの診断的意義
藤原 航藤井 喜充 中村 弘樹土井 崇金子 一成
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2026 年 42 巻 1 号 p. 76-82

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抄録

反復性の腹痛を主訴に受診した4歳の女児において,抜毛癖と自己毛髪異食の既往,および腹部超音波検査における胃内の部分的twinkling artifact(TA)の所見から「Rapunzel症候群に伴う毛髪胃石」と診断し外科的に摘出した.術中,十二指腸内および小腸内にも認めたため同時に摘出した.術後は短髪にしたところ,再発は認めていない.

TAは,粗造な表面の強反射体で超音波が不規則に反射や散乱し,生じた時間や位相のずれを,カラードプラ装置が速度として誤認識するために生じ,結石や石灰化の診断に有用とされているが,本症例では陽性部分と陰性部分の混在する部分的なTA所見が特徴的であった.そこで裁縫糸を毛髪に見立てたファントム実験を行ったところ,部分的TAを再現できた.

以上より,腹部超音波検査での消化管腔内腫瘤にみられるTAは,胃石症を示唆する診断的価値の高い所見と思われた.特に部分的TAは,毛髪胃石の可能性があり,治療方針決定において有意義であると思われた.

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