抄録
本研究では、準安定 β 型 Ti 合金におけるナノサイズ ω 相の結晶構造解析を、結晶 PDF 解析により行った。BL04B2 を使用した in-situ 加熱X線全散乱測定(室温~300℃)により G(r) を得ることで、各測定温度における ω 相のシャッフリング量の定量評価を試みた。実験で得られたG(r)において、構成相から想定されるピークの一部は出現しなかった。これは、試料作製時に形成した集合組織の影響であると考えられる。今回の測定温度域ではシャッフリング量の値は 0.44 と見積もられた。