抄録
原始惑星系円盤における衝撃波の成因として,中心星近傍で発生するX線フレアとそれに伴って膨張する磁気バブルの可能性を検討した.中心星磁気圏と降着円盤の磁気的相互作用も含めたMHDシミュレーションを行い,膨張する磁気バブルの伝播が円盤表面に及ぼす影響を調べた.その結果,比較的強いX線フレアが発生した場合には,円盤上層部に数十km/sの伝播速度を持つ衝撃波が発生することが確かめられた.円盤上層部でのガス密度は一般に低いが,大きな衝撃波速度が補う結果,十分なダスト加熱が起こってコンドリュールが形成され得ることがわかった.