抄録
衝撃波加熱モデルに基づく従来のコンドリュール形成の研究ではダスト内部の温度を一様と仮定していたが、実際にはガス摩擦により表面から加熱されダストの外側部分のみが融解すると考えられる。我々は中心に固体コアが存在する液滴に対して流体力学方程式を解き液滴の挙動を調べた。また、ダストが完全融解する前に液滴表面のはぎ取りが起きる臨界半径を調べた。ダストの融解前後の密度が一定の場合、半径がおよそ5 mm程度より大きいダストでははぎ取りが起きる。それに対して、融解前の前駆体として多孔質なダストの場合には、最終半径が2 mm程度よりも大きいダストではぎ取りが起きることが分かった。