抄録
はやぶさ探査機は2005年11月に、小惑星イトカワへのタッチダウンに成功した。その降下フェーズ及びリハーサルの段階で、これまでの小惑星探査とは比較にならないほど鮮明な高解像度の画像が取得された。高解像度画像は、イトカワ上の異なる地域で合わせて30枚以上が取得されたが、一部の画像はあまりにも撮像範囲が小さいために、どの場所の画像なのか推定するに困難を伴った。本発表では、軌道情報や地理情報システムを用いて全ての画像の位置を同定したことを報告するとともに、そうした画像に見られる岩塊の堆積環境を、周辺の地質学的特性と比較検討しながら議論する。