抄録
コンドリュール形成機構として衝撃波加熱モデルが有力視されているが、複合コンドリュールに関する明確なモデルはまだない。我々は、衝撃波後面でのダストがガス流により溶融、分裂し、局所的にコンドリュールの数密度が増大することに注目し、溶融ダスト分裂による分裂片の放出率、速度分散、サイズ分布を三次元流体シミュレーションで計算した。その結果、分裂片同士の衝突が複合コンドリュールの存在割合以上に起こること、分裂片の衝突には「影効果」(後に飛び出した分裂片が先に飛び出した分裂片に当たるガス流を遮る効果)が重要であることがわかった。