抄録
月表層のTiO2分布図は月の海の形成過程等の理解に役立つため、これまでTiの主なキャリアであるイルメナイトの反射スペクトルの特徴を用いて作成されてきた。しかし本研究により、これまでイルメナイトの反射スペクトルの可視光波長域にあると考えられていた吸収は顕著には存在しないこと、また、より小さいサイズの反射スペクトルを用いることで、精度良く月面上のTiO2存在量を推測できることが分かった。今後、今回の結果を考慮することで、より精度良く月面上のTi存在量を推定できる手法の確立に役立てられると考える。