抄録
ハイドロダイナミックエスケープによる惑星大気散逸の計算コードを開発した。この数値計算コードを用いて、初期金星大気における水素のハイドロダイナミックエスケープ、およびそれに引きずられる形でのより重い元素の散逸を計算することで、以下の2つの金星大気問題の解決を図る。(1)過去に金星表面に存在した水の散逸メカニズム(2)金星大気中の希ガス同位体の大気散逸による分別 本発表では特に水の光解離に伴う水素+酸素の散逸と、大気中のCOによるクーリングの効果が希ガス同位体分別に及ぼす影響について議論したい。