埼玉理学療法
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ISSN-L : 1348-0294
研究と報告
脳卒中片麻痺患者の歩行自立度判定スケールの作成
松谷 繁佐々木 和人永井 勝信飯田 大須藤 浩之野崎 紀英合志 俊雄荒川 美穂尾崎 香奈子安達 裕一阿部 裕一平澤 茂木菱 由美子鈴木 英二
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2004 年 11 巻 1 号 p. 45-51

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抄録
診療報酬改正に伴い,回復期リハビリテーション病棟が各地にでき,それに伴い理学療法士をはじめとするリハスタッフ以外が患者の歩行介助を行う機会が多くなった。また,脳卒中片麻痺患者においては歩行自立か監視かの判定に明確な基準がなく,各理学療法士の経験と判断によって行われている。そこで,誰が行っても同じ結果が出るように「脳卒中片麻痺患者の歩行自立度判定スケール」を試作検討した。スケールはバランススケールPerformance-Oriented Mobility Assessment(POMA)およびBerg Balance Scale(BBS)と,当院で経験的に行われてきた歩行を組み合わせて作成した。歩行監視群と歩行自立群に対してそのスケールを用い,スケール合計得点において自立群の方が有意に得点が高く,また歩行自立・監視のボーダーラインは40点以上で歩行自立という結果が導き出された。しかし,高次脳機能障害が存在しているときは,たとえスケール得点が満点に近くても歩行が監視となってしまう点などが今後の課題としてあげられる。
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© 2004 社団法人 埼玉県理学療法士会
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