抄録
臨床実習前と実習中では、学生の気分状態や対処法にどのような変化があるのかProfile of Mood States検査(以下POMSと略す)、Stress Coping Inventory検査(以下SCIと略す)を用いて調べ、さらに、実習成績との比較、検討を行った。その結果、POMSでは、実習前の検査で「不安・緊張」「活力低下」「混乱」の状態を示す者が多く、実習後は全項目において得点が高まる傾向にあり、特に成績「可」グループでその傾向が強かった。また、SCIでは、成績「優」グループで「計画型」「肯定評価型」の特性傾向が強く、成績「可」グループでは優グループに比べ「責任受容型」の特性傾向を強く示し、全体的には「対決型」の特性傾向が弱いことが示された。