日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第9回 日本予防理学療法学会学術大会
会議情報

地域実践活動
床材の違いによる着地動作での床反力の変化
石橋 昌也徳永 剛島崎 裕樹竹井 和人
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 98

詳細
抄録

【はじめに、目的】

世代を問わず、障害予防の観点からもさまざまな場所で運動を行う機会は増加している。その中で我々は、床面の違いによって運動時の身体への影響が異なるのではないかと考えた。先行研究においても人体における検証は少ない。そこで今回、ジャンプ動作を用いて、床材の違いによる着地動作での床反力の変化を検証したのでここに報告する。

【方法】

過去に手術歴のない健常成人30名を対象とした(男性18名、女性12名、平均年齢38.9±11.1歳、身長163.3±18.4cm 体重61.4±10.3kg)。床反力計(キスラーフォースプレート)を使用して材質の違う床材、無垢材と合板の上にて計測を行った。ジャンプ動作では、フォースプレートに足を置き片脚立位を5秒保持した後に、片脚ジャンプ動作を行った。解析パラメーターは着地時のピーク荷重を体重で除した値を用い、無垢材と合板で比較を行った。統計学的検討は、対応のあるt検定を用いて有意水準は5%とした。

【結果】

ジャンプ動作着地時の床反力は無垢 28.4±6.3kg/BW、合板 30.4±7.0kg/BWで、無垢材の方が有意に低かった。

【結論】

本研究の結果より、同様の木材でも材質の固い合板よりも無垢材の方が、有意に床反力が低かった。この結果は、物体を落下させる先行研究と同様の結果が得られた。地域での健康教室や子供の運動教室など、室内で運動を行う機会は増加傾向にある。年齢や能力に合わせて運動効果などに着目することも非常に重要な要素であるが、どのような固さの場所で行うのかも非常に重要な要素であることが示唆された。特に痛みある高齢者や成長段階にある未成年など、運動を行う場所への環境の配慮も意識することが重要であることが考えられる。

【倫理的配慮,説明と同意】

ヘルシンキ宣言に基づき、対象者に研究の目的と内容を書面にて説明し、同意を得た。

著者関連情報
© 2022 日本予防理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top