日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第11回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: O - 14
会議情報

口述 3
高齢者の視力低下は歩行速度低下と関連する
*船山 結衣井上 達朗堀田 一樹和泉 徹神谷 健太郎椿 淳裕藤田 卓仙窪田 杏奈宮田 裕章
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに、目的】

本研究の目的は,地域在住中高齢者における視力低下と身体機能、特に歩行速度低下との関連を明らかにするものである.

【方法】

研究デザインは地域コホートの横断研究とした.対象者は 2020年1月から2023年12月にフレイル克服体力測定会に参加 した40歳以上の佐渡市民とした.視力は視力検査表を用いて測定し,標準値は1.0とした.本研究では,視力を<0.7,0.7-0.9, 1.0≦の3群に分類した.身体機能は5回立ち座りテスト,10m快適歩行速度,10m最大歩行速度を測定した.統計解析は,3群間の比較にKruskal-Wallis検定を実施した.また,5回立ち座りテスト,10m快適歩行速度,10m最大歩行速度,骨格筋量,握力に対する重回帰分析を実施した.

【結果】

佐渡市民269名(男性95名:年齢中央値72歳(四分位範囲65-75.5歳),BMI 23.8 (21.6-25.1) kg/m2,女性174名:年齢68 (62-73)歳,BMI 22.7(21.0-25.2)kg/m2が解析対象となった.対象者の視力は,<0.7群は66名(24.6%),0.7-0.9群は95名 (35.3%),1.0≦群は108名(40.1%)であった.快適歩行速度 (1.0≦群:1.527m/sec vs <0.7群1.432m/sec,p=0.005)と最 大歩行速度(1.0≦群 2.012 m/sec vs <0.7群 1.916 m/sec, p=0.002)ともに<0.7群は1.0≦群と比較して有意に低かった.一方で,5回立ち座りテスト,筋力,骨格筋量は3群間で有意な差はなかった.重回帰分析の結果,視力<0.7群は快適歩行速度(Ref: 1.0≦群 β=-0.09,95%CI -0.16―-0.02,p=0.008)と最大歩行速度(Ref: 1.0≦群 β=-0.09,95%CI -0.18―-0.003, p=0.04)と有意に関連した.

【考察】

本研究の結果から,視力低下は歩行速度の低下と有意に関連し ていた.しかしこの結果は更に縦断的な検証も必要としている.

【考察・結論】

本研究の結果から,視力低下は歩行速度の低下と有意に関連し ていた.しかしこの結果は更に縦断的な検証も必要としている.

【倫理的配慮】

本研究は新潟医療福祉大学倫理審査委員会の承認(承認番号:18558-201221)を得て実施された.

著者関連情報
© 2025 日本予防理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top