聴覚障害者が演習系授業や研究発表会において、代読者の力を借りずに、自分自身で発表が可能となるよう、ソフトウェアの整備や運用法の工夫を行った。汎用的なソフトウェア(音声合成やチャットサーバとクライアント)だけを用いて運用を行い、本人が達成感を感じほぼ満足する結果を得ることができた。最新のプレゼン支援においては、デスクトップPCと有線LANの使用を、ノートPCと無線LANの使用に置き換えて、発表を一般の教室で行えるようにした。また、音声合成エンジンを高性能なものに変更して、合成音声の明瞭度の向上を図ったり、発表時の音声合成操作の煩雑さをなくすためのプレゼンソフトの操作法を考案した。これらにより、聴覚障害者のためのプレゼンテーション支援がより円滑に可能となることが実証された。本研究のアイディアや手法は、大学において広く応用可能と思われる。