日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第44回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 44_1-C-S07-1
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シンポジウム
高尿酸血症治療に用いられる薬剤と注意点
*宮田 大資高田 龍平
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抄録

尿酸はヒトにおけるプリン体の最終代謝産物であり、その生体内における恒常性は、キサンチン酸化還元酵素(XOR)による合成と、主に腎臓や小腸を介した体外への排泄のバランスにより維持されている。高尿酸血症は、尿酸の合成亢進や排泄低下が原因となることで、血清尿酸値が7 mg/dLを超えた状態と定義され、痛風をはじめとする種々の疾患と関連することから尿酸降下薬による治療の対象となる。尿酸降下薬は、XORの阻害により尿酸の合成を阻害する尿酸合成抑制薬と、尿からの尿酸の再吸収を阻害することで尿中への尿酸排泄を促す尿酸排泄促進薬に分類される。尿酸合成抑制薬としては、アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットの3剤が承認されており、臨床的に広く用いられている。一方、尿酸排泄促進薬としては、古くからブコローム、プロベネシド、ベンズブロマロンが承認されていたのに加え、2020年には、尿からの尿酸再吸収を主に担う分子実体であるUrate transporter 1を選択的に阻害することが報告されるドチヌラドが上市され、治療薬の選択が広がっている。いずれの薬剤も、主要な薬効標的やoff-targetの阻害に基づく薬物相互作用や副作用などの注意点が知られることから、本講演では各薬剤の特徴について概説する。

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