日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第44回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 44_2-C-S25-4
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シンポジウム
難病・希少疾病治療薬等治療薬実用化におけるドラッグリポジショニングの経験及び課題
*八木 良樹
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抄録

弊社ノーベルファーマのミッションは「必要なのに顧みられない医薬品・医療機器の提供を通して社会に貢献する。」である。このミッションの背景には、医療現場では高いニーズが存在するにも係わらず、市場が限定され十分な収益を上げることが困難であること、知財戦略が不十分で排他性を保てる期間が限定的であること、希少疾病等で病態に関する情報が限定され治験実施計画の策定が困難であること等の課題のために多くの製薬企業が手掛けず実用化が進まないシーズの存在がある。弊社は2003年の創業以来15品目の新薬の製造販売取得をしてきているが、その多くが他の適応や用途に使用されていた化合物の利用、すなわちドラッグリポジショニングを活用した実用化である。ドラッグリポジショニングを活用することで、開発期間の短縮や費用の削減、既存データの活用や特定臨床研究の利用が可能となる等複数の利点がある。一方、課題としては、知財の確保、限定的な再審査期間が、既存データの入手方法、既承認品の用法・用量と実用化シーズの相違、薬価に関すること等が存在する。これらの点について先生方と共通認識を持ち、国内でドラッグリポジショニングを活用した実用化をアカデミアと企業でどう進めるか、また、解決困難な課題を今後どのように協力し解決するかについて議論をしたい。

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