日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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一般演題(口演)
スマートフォンアプリによる歩行速度評価と軽度認知障害予測解析
藤山 信弘小玉 鮎人三島 和夫大田 秀隆
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p. 29-

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抄録

【目的】認知症の一歩手前の状態とされる軽度認知障害(MCI)を早期に捉えて介入することは、患者個人および社会全体にとって重要である。本研究では、認知機能評価の際に用いられる代表的な指標の1つである5m歩行速度(UWS)について、歩行速度アプリによる無意識下歩行速度(UcWS)の代替法としての有用性を検討した。【方法】健常者およびMCI疑いの者を含む65歳以上の一般市民を対象とし、エントリー期間は2022年10月から2023年1月、UcWS測定期間は2022年10月から2023年5月とした。歩行速度測定アプリは各個人のスマートフォンにダウンロードされ、GPSの稼働する屋外活動に伴う生活下でのUcWSの中央値(m/sec)が評価された。エントリー時には被験者の臨床症状・身体状態として、UWS、国立長寿医療研究センター機能評価ツール(NCGG-FAT)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、およびタッチパネル式認知評価スケール(TDAS)のデータを収集し、MCIスクリーニング、身体的フレイル、社会的フレイルの有無を評価した。【結果】エントリー123例のうち115例の被験者から評価可能な歩行速度データが収集された。全歩行速度データのうちノイズデータを排除することを目的に、歩行距離、歩行時間、歩行速度、時間当たりの歩数、歩幅の各条件を満たすものを抽出し、UcWSと定義した。UWS代替性の検討では、UcWSとUWSに正の相関性が観察された(最大r=0.47)。臨床症状・身体状態との比較では、UcWSはMCIスクリーニング陽性者で有意に遅く(陰性1.10±0.14, 陽性1.01±0.16, p=0.018)、身体的フレイル陽性者でも有意に遅かった(陰性1.11±0.14, 陽性1.03±0.15, p=0.049)。社会的フレイルの有無によるUcWSの差はなかった(陰性1.03±0.16, 陽性1.11±0.14, p=0.102)。【考察】歩行速度アプリによる総データのうち、特定の条件下で抽出されたUcWSがUWSの代替法としての可能性が示唆されただけでなく、MCIスクリーニング陽性、身体的フレイルを説明する回帰モデルの1つとして評価できる可能性も示唆された。

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