主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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【背景】患者市民参画という言葉が医薬品開発において定着してきた昨今ではあるが、本邦ではまだ事例も少なく、社会共創のためのインフラ整備を行うことが喫緊の課題となっている。一方、欧米では患者市民参画の次のステージとして、Patient Experience Data (PED)に関する体系的議論と概念整理が進み、医薬品の開発計画、薬事承認、医療技術評価を含むヘルスケアの様々なステージでの意思決定に必要なデータと捉えられている。PEDは様々なステークホルダーが様々な目的のために活用できるものであり、そこには患者の参画が欠かせない。先般ICHE22ガイドラインとして「患者選好試験に関する一般指針」のワーキングが設置されるなど、欧米の規制当局は患者中心の医薬品開発に関するガイダンスの整備を進めている。しかし日本ではPEDの体系的な紹介もなく、医薬品開発における患者視点のエビデンスの価値についても議論が不十分なままである。 【方法】まず、本邦での患者市民参画に関し、歴史的背景を踏まえて産官学患連携の事例について調査した。また、欧米の最新ガイドラインを踏まえ、PEDとは何か、PED利活用に関する欧米の現状について調査を行った。上記を踏まえ、これからのPEDの構築や活用に関して、アカデミア、規制当局、産業界、患者団体との間でのフォーカスグループインタビューを実施する。 【結果・考察】患者市民参画の推進に向けた社会共創においては、患者市民における医薬品開発の理解を進めることが必須であり、情報の非対称性の解消に向けた患者市民との教育と対話が不可欠である。本邦における産官学患連携の好例として、治験アンバサダー活動があり、既に本学会誌にて報告したとおりである(https://doi.org/10.3999/jscpt.54.4_173)。PEDは患者市民の協力に基づき医薬品の付加価値を最大化するために非常に有用なデータであり、どのような目的でどのように構築し活用できるかについて、欧米では既に患者市民とアカデミア、産業界が連携した団体であるPFMD等での議論が始まっているが(https://patientfocusedmedicine.org/patient-experience-data/)、社会共創に向けた討議なしには有用性を最大化することは不可能である。このため、アカデミア、企業及び産業界、患者市民、規制当局からの意見についてフォーカスグループインタビューを行った結果を踏まえ、今後の目指すべき到達点について発表する。