日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
地域医療ネットワーク・チーム医療に根差した心不全診療
澤城 大悟, 五家 里栄, 中村 大輝, 杉山 史弘, 今井 靖
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p. 28-

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抄録

「心不全パンデミック」に代表される様に高齢者心不全患者数が著増している。慢性心不全は進行性の病態であり、急性増悪を繰り返しつつ死に至る病態である。超高齢化社会での在宅・終末期医療では癌・慢性疾患と心不全は併存していることが通常であり、治療・緩和のバランスに配慮した介入が必要である。慢性心不全診療において問題となるのは急性増悪が医療介入よりも急峻であること、急性期治療に入院加療が必要となる例が多いこと、また心不全末期であっても治療介入が奏功し退院が可能である例も多く、侵襲的から緩和的治療への移行判断が難しいことである。急性増悪を来しつつある心不全患者の早期抽出・対応により救急入院の回避や社会的負担の軽減が可能であることも示されておりwearable deviceによるデジタルマーカーや遠隔診療による治療介入判断補助システムの整備と実装も危急の課題である。慢性心不全を有する患者の診療には循環器専門医を有する地域の病院(入院診療設備)とかかりつけ医(外来・在宅診療)そして看護・介護等多職種の連携が絶対的に必要である。大都市圏では基幹病院、中核病院が多く、心疾患専門在宅クリニック等、各施設が充足している一方で、栃木県を含む地方では中核・基幹病院内に医療・介護リソースが集約されている例が多いと考えられる。特にへき地においては入院可能病床や病床当たり医師数・看護師・介護職の数も少なく、リハビリ施設なども存在していない場合が多く、限られたリソースでのシステム構築が必要な現状がある。こういった状況の中で薬剤師の役割は更に重要性を増しており、単なる調剤・疑義紹介のみならず、自宅での投薬管理、副作用やポリファーマシー防止につながる服薬情報提供による診療サポート、更には2024年度より算定可能となった持続カテコラミンや終末期麻薬・オピオイド点滴投与管理といった在宅重症心不全管理や終末期緩和医療における主軸を担う立場となっている。本セッションでは地域包括ケアにおける慢性心不全治療の総論をまず紹介する。更に地域在宅診療で遭遇することが多い症例での慢性心不全のタイプ及びタイプ別治療方針の提案と調剤薬局の協力の下に在宅管理が可能であったカテコラミン依存重症心不全の多職種連携の具体例を紹介し、今後の地方地域医療における慢性心不全医療体制の可能性について討論を期待したい。

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