主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
p. 41-
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は進行性の神経変性疾患であり、根治療法は未だ確立されていない。日本では1998年にリルゾールが承認され、ALS治療の第一歩となった。2015年にはエダラボン静注製剤がALSに適応拡大され、さらに2022年には経口製剤が承認されて、日常診療における利便性が向上した。さらに2024年には高用量メチルコバラミンとSOD1変異ALSに対する核酸医薬品トフェルセンが承認されるなど、新薬開発は大きな進展を遂げている。 一方で、これらの開発を通じて、日本発の医薬品の海外展開の難しさや海外で先行して開発が進んでいる医薬品のドラッグ・ラグ/ロスなどが課題として認識されつつある。また、臨床評価スケールの標準化や疾患修飾効果を捉えるバイオマーカーの確立の重要性も増してきている。さらに、疾患レジストリデータを基盤としたリアルワールドデータの活用や遠隔技術を導入した分散型臨床試験の実施体制の構築も期待されているとともに、海外では複数治療法を並行して評価するプラットフォーム試験などの取組みが先行しており、治療薬開発の効率化に向けた動きが進んでいる。 本講演では、日本におけるALS治療薬開発の現状を俯瞰し、国内で作成中のALS臨床評価ガイドラインの取組みを紹介しつつ、今後のALS治療開発の方向性を展望する。