社会学評論
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特集:記憶と場所――近代的時間・空間の変容――
記憶と場所
近代的時間・空間の変容
浜 日出夫
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キーワード: 記憶, 場所, 近代
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2010 年 60 巻 4 号 p. 465-480

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抄録
近代社会は,均質で空虚な空間のなかに位置する社会がやはり均質で空虚な時間のなかを前進していくものとして自らの姿を想像してきた.そして,近代社会の自己認識として成立した社会学もまた社会の像をそのようなものとして描きつづけてきた.
本稿では,「水平に流れ去る時間」という近代的な時間の把握に対して,「垂直に積み重なる時間」というもう1つの時間のとらえかたを,E. フッサール・A. シュッツ・M. アルヴァックスらを手がかりとして考察する.
フッサール・シュッツ・アルヴァックスによれば,過去は流れ去ってしまうのではなく,現在のうちに積み重なり保持されている.フッサールは,過去を現在のうちに保持する過去把持と想起という作用を見いだした.またシュッツは,この作用が他者経験においても働いていることを明らかにし,社会的世界においても過去が積み重なっていくことを示した.アルヴァックスによれば,過去は空間のうちに痕跡として刻まれ,この痕跡を通して集合的に保持される.
この考察を通して,時間が場所と結びつき,また記憶が空間と結びつく,近代的な時間と空間の理解とは異なる,〈記憶と場所〉という時間と空間のありかたが見いだされる.
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© 2010 日本社会学会
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