2018 年 69 巻 2 号 p. 229-237
本稿の目的は, 「参照基準」をめぐる, いくつかの論点を示すことである. その際に, グローバル化の流れのなかでの地方国立大学における社会学教育の標準化にむけた教材作成の事例を手がかりとした. まず, 「参照基準」に対応した社会学テキストが標準化していく可能性について指摘した. つぎに, 「質保証の国際通用性」が求められつつあるなかで, 社会学教育の教授内容に日本の社会学の伝統や遺産を位置づけることの重要性について指摘した. 最後に, 社会学教育の内容の検討のみならず, 学修方法についても検討する必要性について論じた.