私は戦後、世論調査が、本格化した相当早い時期から、世論調査と関係をもち、直接その研究に従事してきたので、不十分な点もあるが、世論調査の発展について中間的なとりまとめをしておきたい。戦争直後の世論調査の産みの苦しみに当る部分は、直接は知らないが、日本ではスタートの時期から真剣に世論調査にとり組んだことは、それ以後の日本の調査の正確性のためによい効果を与えている。そこで本稿でも、まず初期の世論調査についてのべる。つぎに前後する形になるが、私は世論調査を相当広い意味で考えているので、世論調査の定義を与える。それから先は調査技術上の、サンプリング、フィールドワークの問題点についてのべ、以下、世論調査の妥当性と、信頼性について、データにもとずき、私見をのべる。