社会学評論
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G. H. ミードの社会改革論
山下 祐介
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1994 年 45 巻 2 号 p. 221-235

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抄録

本論文の主題は, 世紀の変わり目を生きたアメリカの哲学者G.H.ミードの遺した社会改革論を再構成することにある。ミードは, 人間社会を, 制度による社会的コントロールによって成り立っている社会とし, このコントロールが可能であるのは, 人間社会では諸個人が十分に社会化されているからだとする。それ故, 「制度を進化させていくこと」という意味での社会改革の成功は, 人々がそれに必要なくらい十分に社会化されるか否かにかかっているということになる。彼の社会改革論は, このような社会化を可能にするような社会理論の構築への要求, そしてその理論が現実となるまでの間に果たす制度の抑止的役割に向けられている。

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