抄録
ゲル線量計を用いた重粒子線の三次元線量分布の評価手法の開発を進めている。本研究ではVIPゲル線量計を用いて炭素線(135 AMeV,290 AMeV)に対する線量応答分布を測定し,ゲル線量計感度のLET依存性を評価した.また,この結果を用いゲル線量計を用いた不均一照射時の線量分布評価も行った.結果,ゲル線量計の感度は線量平均LETでは一意に決まらないが,LETの分布を考慮することで実験結果を説明できることがわかった.また,PHITS計算結果と不均一照射時に得られたゲル線量計の分布を比較したところ,本実験条件での精度は線量で10 %,飛程位置で1 mm-2 mmであった.