日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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原著
生体肺葉移植術前後の理学療法
―本邦2例目の両側生体肺葉移植術における経験―
松尾 善美井上 悟南 正人三好 新一郎松田 暉川合 宏丸山 宗治
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2001 年 10 巻 3 号 p. 370-375

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抄録

本邦2例目の両側生体肺葉移植術前後における理学療法を施行した.術前の慢性呼吸不全の急速な進行のために呼吸筋,四肢筋力の低下が著しく,術後の無気肺の改善と離床には長時間を要した.<br> しかし,術後6ヵ月時には努力肺活量が2,460cc(対標準62%),1秒率97%,最大換気量は予測値の88%まで改善した.理学療法士は生体肺葉移植患者に対して術前より介入し,術後は離床,呼吸機能の改善,さらに運動の継続により新しい機能水準に順応させるために重要な役割を担う必要があると考えられた.

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© 2001 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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