2001 年 11 巻 2 号 p. 296-301
肺癌患者100名の遺族に対して告知と終末期に関するアンケート調査を行い70名(70%)の遺族から回答を得た.癌告知率は35%であった.告知した患者の遺族の63%がこの告知を後に正しかったと評価した一方で,告知しなかった患者の遺族の67%がこの行為を良しとした.診断確定前後と寝たきり状態になった前後の時期以後に家族は強い辛さを感じた.特に告知を拒否した家族はどの臨床時期にも強い辛さを感じる傾向であったが,告知を考え実行した家族は終末期まで比較的辛さをコントロールできる傾向がみられた.