当院は,IRCUにおける集中治療から,一般病棟,外来での慢性期のケアを経て,在宅呼吸ケアに至る包括呼吸ケアの実現を目指して呼吸不全患者の診療にあたっている1~3).ここ数年,NPPVの普及とともに,IRCUおよび在宅での人工呼吸が変遷しつつある.
当院のIRCUの場合,慢性呼吸不全急性増悪時の気管内挿管下人工呼吸の割合が減少し,逆にARDSなどの急性肺障害症例が増加傾向にある.また在宅の場合,これまでは換気補助療法の方法としては,気管切開下陽圧換気療法(TPPV)が主であったが,全国的にみても,\'98年頃からNPPVがTPPVを上回るようになっており,今後もこの傾向は続くものと思われる4~7).
包括呼吸ケアの実践は理想ではあるが,マンパワー,経済効率,地域とのネットワークづくりなど克服すべき課題がある8).