2002 年 11 巻 3 号 p. 393-398
呼吸リハビリテーションにおいて,教育指導は本来プログラムに含まれるべきものであり,教育指導のみの効果に関する研究は少ない.2001年COPDに対するGOLDガイドラインが発表され,疾患に関する指導,禁煙指導および環境因子の改善,薬物療法,感染予防,在宅酸素療法などについては,科学的根拠(エビデンス)が示された.
反面,栄養管理に関しては,十分な研究がなされておらず科学的根拠も不明である.しかし,体重減少はCOPDの予後不良の因子であり,栄養管理が重要であることは明らかである.教育指導も栄養管理も欧米のノウハウをそのままわが国に当てはめることには無理があり,わが国においても地域性を考慮した柔軟な内容が求められる.