日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
高度慢性呼吸不全患者の終末期に対する家族の認識と在宅酸素療法を組み合わせた終末期医療の評価
有田 健一大橋 信之北原 良洋中村 賢二峠岡 康幸駄賀 晴子佐々木 るみ枝森本 啓子
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2002 年 12 巻 2 号 p. 261-266

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抄録

悪性腫瘍以外の疾病による慢性呼吸不全患者の遺族に対して終末期としての認識と終末期医療についてアンケート調査を行った.回答率は71%であった.在宅酸素療法の開始は患者に「死」を突きつけるものではなかったが病状について患者や家族が改めて認識する契機になった.呼吸苦の増強は患者の「死」を家族に意識させるきっかけになったが,多くの遺族にとって寝たきり状態のほうが患者の「死」を強く意識する病態であった.在宅酸素療法の開始を慢性呼吸不全の終末期の出発点として認識し,患者に正確な情報を上手に与えながら治療内容を選択し,患者自身の思いを臨床経過に反映させていく努力が大切である.

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© 2002 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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