動物の循環器
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症例報告
ベナゼプリルからテルミサルタンへの変更により蛋白尿および左室求心性肥大に改善が認められた犬の2例
井口 雅之中村 祐輔池田 佑介伊原木 利季稲葉 晴貴
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2019 年 52 巻 2 号 p. 53-59

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抄録

運動負耐を主訴に12歳のパピヨンと13歳のヨークシャテリアが紹介来院した。尿検査にて蛋白尿が認められ,心エコー図検査にて左室内腔狭小化を伴う左室求心性肥大が認められた。これら2症例はともにアンジオテンシン変換酵(ACE)素阻害薬を半年以上服用していたが,ACE阻害薬の治療効果が乏しいと判断し,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)への変更を行った。ARBによって2症例ともに蛋白尿および狭小化していた左室内腔と一回拍出量(SV)は改善した。今後は蛋白尿と左室求心性肥大を有する犬に対してARBの適応や有効性について更なる検証が必要である。

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© 2019 日本獣医循環器学会
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