2003 年 13 巻 2 号 p. 327-331
安定期COPDの薬物療法の基本は気管支拡張薬の投与である.COPD患者は気管支喘息に比べ気道の可逆性(気管支拡張薬に対する反応性)は小さいが,1秒量でみて約3分の1は優位の改善を示す.また,1秒量で改善がわずかであっても,細気管支領域の拡張による肺気量位の低下から運動耐容能は増加するので,COPD患者に対して積極的に気管支拡張薬投与を行うべきである.COPD患者は気管支拡張薬のなかでも抗コリン薬に最もよく反応するが,中等度以上の重症度の場合には多剤併用が効果・副作用のバランスからいって望ましい.