2007 年 17 巻 1 号 p. 35-40
強い呼吸困難感MRC Grade 4を呈し,%FEV1 50%未満30%以上の重症慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対し,外来運動療法の効果を多施設間で検討した.呼吸困難感スコア(修正Borgスケール)を使用したインターバル形式での持久力トレーニングと低負荷での下肢筋力トレーニングを併用したオリジナルプロトコールを作成し,外来呼吸運動療法を週2回・3ヵ月間施行した.6分間歩行距離,自由歩行距離,下肢筋力において有意な改善が得られ,運動耐容能と下肢筋力の改善が認められた.呼吸困難感を指標にインターバル形式の持久力トレーニングを取り入れたオリジナルプロトコールは,廃用性筋萎縮を伴いやすい重症COPD患者に対して効果的であった.今後さらに症例を蓄積して詳細に検討することが大切であると考えられた.