日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
長時間作用型吸入抗コリン薬チオトロピウムと呼吸リハビリテーションの併用実施がCOPD患者の運動耐容能に及ぼす影響
辻村 康彦荻原 圭三小島 英嗣平松 哲夫松本 修一
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2007 年 17 巻 2 号 p. 157-162

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抄録

チオトロピウムと呼吸リハビリテーションの併用がCOPD患者の運動耐容能に与える影響につき検討した.チオトロピウムは換気障害の改善に優れた効果を示し,運動耐容能を改善したが,呼吸リハビリテーションを併用実施することでさらなる向上を認めた.また,呼吸リハビリテーション単独実施群との比較においても,併用実施群が有意な改善を示した.チオトロピウムによる換気障害の改善は,運動療法の実施をスムーズに,かつより高い強度でのトレーニングを実施可能とし,運動療法本来の効果を助長すると考えられた.換気障害とディコンディショニングをバランスよく改善することが重要なCOPD治療において,この両者の併用は現在行いうる,より有効な治療手段であると考えられた.

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© 2007 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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