2007 年 17 巻 2 号 p. 171-174
気管切開下,自発呼吸中の神経筋疾患患者5名で,30分間の腹臥位が換気効率に及ぼす効果を検討した.肺胞気・動脈血酸素分圧較差は,仰臥位から腹臥位にすると減少し,体位を元に戻すと増加した.分時換気量と呼吸数は,元に戻すと減少した.腹臥位中の酸素化能の改善は換気血流不均等の改善,体位ドレナージ効果などによると推察された.短時間の腹臥位は,ルーチンの体位変換やリハビリに組み込むことなどによって,慢性疾患患者においても呼吸管理に利用できるかもしれない.