日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムⅣ
全身性疾患としてのCOPD
─骨粗鬆症─
桂 秀樹
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2008 年 18 巻 2 号 p. 104-107

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抄録

骨粗鬆症は低骨量と骨組織の微細構造の破綻により生じる病態であり,骨の脆弱性亢進と骨折危険率増大に結びつく疾患と定義されている.COPDでは従来ステロイド投与による骨粗鬆症が問題になっていたが,最近の成績では,ステロイド非投与例においても骨粗鬆症を高率に合併することが明らかになった.COPDに骨粗鬆症をきたしやすい原因として,喫煙,カルシウムやビタミンDの摂取不足,運動量の低下などの生活習慣に伴う因子に加え,低栄養,低酸素血症が関与するとされるが,近年,COPDに伴う全身性炎症性変化の関与が注目されている.骨粗鬆症に伴う骨折は急性増悪の原因になったり,生命予後を悪化させることが指摘されており,病初期からその対策が重要である.

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© 2008 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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