2012 年 22 巻 1 号 p. 130-134
人間ドックで実施した呼吸機能検査を解析し,気流制限を有する患者の発見率を検討した.同時に肺年齢を算定し,その有用性も検討した.当院では2008年4月より全受診者を対象に呼吸機能検査を実施している.受診者1612名(平均年齢47.9歳,40歳以上1297名)を対象に呼吸機能検査と喫煙歴・症状アンケート調査を実施した.その結果から,全体の3.4%,40歳以上の3.5%に気流制限(1秒率<70%)を認めた.男性では喫煙歴が増加するとともに肺年齢と実年齢の差が大きくなる傾向がみられた.肺年齢は喫煙歴の長い受診者に自覚症状のない初期の呼吸機能低下を実感させるのに有益であると思われた.