日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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22 巻 , 1 号
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教育講演Ⅴ
  • 富井 啓介
    原稿種別: 教育講演
    2012 年 22 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    NPPVの最大の特徴はマスクを用いた非侵襲的な人工呼吸であり,開始終了が簡便で鎮静の必要が少ない点である.慢性2型呼吸不全に対する在宅夜間NPPVのみならず,COPD急性悪化や心源性肺水腫,免疫抑制患者に対する急性期NPPVもすでに確立された第一選択の治療法である.NPPVの実施は病院間格差が顕著で経験を積むほどに成績が向上することが指摘されている.十分な経験を積むべきポイントは,1)自発呼吸との非同期解決:NPPV専用機への変更,リークの少ないマスク選択,トリガー感度の調整もしくはトリガリングシステムの異なる機種への変更.内因性PEEPへの対応,2)睡眠時無呼吸,低換気対策:モードや圧の変更,ボリュームコントロール類似モード,ASV使用など,3)マスク管理:多種のマスクを揃え備品補充,消毒などを集中管理,4)鎮静併用:せん妄の十分な評価,継続的観察に基づく鎮静剤の微量調節,などである.
ワークショップⅠ
ワークショップⅤ
  • 桂 秀樹, 吉田 直之
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 27
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 津田 徹
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 28
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 武知 由佳子, 吉岡 亜希子, 丸山 ゆかり, 遠藤 直子
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性呼吸不全患者への在宅呼吸ケアの必要性に関しての認識は高まっているものの,実際の在宅現場ではどの程度呼吸ケアが行われているのか把握するために,川崎市の訪問看護ステーションにアンケート調査を行った.呼吸器疾患ではHOT50.6%に対し,NPPV10%と非常に低く,呼吸リハに関しては本来,全例で行われているべきであるが44.7%しか施行されておらず,その担い手の70.1%が訪問看護師であった.この結果からも病院内でも呼吸ケアが積極的になされていない印象をもった.この地域で慢性呼吸不全患者様に標準的な呼吸ケアを受けてもらうために,小さな在宅療養支援診療所から,訪問看護師,病院看護師,病院リハビリスタッフ,ケアマネージャーに対し,個々の症例からの実践的なアプローチ,病院へのfeedbackを通して,かつ呼吸ケアの講演会の開催により,呼吸ケアネットワークが広がりつつある.
  • 黒田 和子
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 33-35
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    在宅呼吸ケアの目的の一つは,呼吸不全患者が住み慣れた自宅で,QOLを維持,向上できるような生活を可能にすることである.また,在宅支援診療所の新設により,入院から在宅医療への円滑な移行,24時間体制の強化,高度医療依存患者への訪問看護の推進が期待されている.呼吸ケアにおいても,病院とかかりつけ医を中心とした地域医療連携が重要であり,専門性をもつ訪問看護師の役割は大きいと考える.
  • 中田 隆文
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 36-37
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 野見山 順子, 小坂 好男, 桂 秀樹
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 38-42
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    近年医薬分業が進み,院外処方せんを地域の薬局が応需し,地域の保険調剤薬局の保険薬剤師による服薬指導が実施される機会が多くなってきている.このため,吸入指導が地域の保険調剤薬局で行われることが多いが,吸入指導の方法が薬局間で異なること,また薬局内でも指導方法が統一されていない場合もあること,指導に十分な時間がかけられていないことが明らかとなった.このように,医療機関と保険調剤薬局間で吸入手技が異なれば指導を受ける患者が混乱する可能性がある.この点を改善するためには,医療機関の薬剤師と保険調剤薬局との間で密接な連携(薬・薬連携)を行い,吸入指導の方法を統一し効率の良い吸入指導を行っていくことが重要である.筆者らは地域における吸入指導の統一と薬・薬連携を推進するために「八千代吸入療法研究会」を組織し活動を行ってきた.その結果,地域で統一した指導が可能になる,吸入療法の重要性,吸入手技の啓蒙が可能となる,地域のスタッフ間の交流が可能になるなどの効果が認められた.筆者らの取り組みから,患者により適正な吸入指導を行うためには医療機関と保険調剤薬局との間で密接な連携を行うネットワークを地域で形成し,継続した指導を行う体制を確立することが重要であると考えられた.今後各地域の実情に合致した吸入指導に関する「薬・薬連携」のシステム化が望まれる.
ワークショップⅣ
  • 石﨑 武志, 竹川 幸恵
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 43
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山田 美佳
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性呼吸器疾患患者は,長期にわたる療養生活を強いられ,自己管理を行いながら疾患とともに生活を送る必要がある.研修生は,慢性呼吸器疾患患者とその家族に接するなかで「死と直結する息苦しさと戦う患者に対し私たちにできることは何か」「患者・家族への指導のみではなく看護師への指導を行うことで患者の苦痛緩和を図れるのではないか」「患者が在宅でも入院時と同様の生活が送れるためには看護師として何が必要なのか」など,看護師として多くの問題に直面してきた.この教育課程を通し,慢性呼吸器疾患看護のスペシャリストとしての高度な知識や技術を身に着け,安定期・増悪期・終末期さまざまな場面にいる患者・家族への看護実践と信頼関係の構築に加え,呼吸ケアチームの一員として他職種と協働しながら,慢性呼吸器疾患患者へのケアの質の向上を図っていきたいと思う.
  • 長谷川 智子
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 48-50
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【要旨】 福井大学大学院医学系研究科では,平成22年より看護キャリアアップセンターを開設し,看護学における教育・研究を地域に広く役立てる取り組みを行ってきた.その活動の一つとして「慢性呼吸器疾患看護」認定看護師課程を開設するため,平成22年8月に日本看護協会に教育機関申請を行い,同年11月に教育機関認定を受けた.
    大学院修士課程で教育される専門看護師とは異なり,認定看護師は約6ヵ月(615時間)という限られた期間で,個人・家族・集団に対する質の高い看護実践を提供する能力に加え,看護職や他の医療職種に対する指導・相談能力を身につける必要がある.当センターでは,医学部看護学科および医学科の教員と,医学部附属病院の医療における専門家が,認定看護師課程の教育に携わる.そのため,学部あるいは大学院レベルでの高等教育と,医療の最前線にある高度な医療技術に関する教育を受けられるという特徴がある.また,呼吸器に関する専門家を全国から招聘し,慢性呼吸器疾患看護に必要な知識と技術を養う教育を提供している.実習においても,北陸圏内に加え西日本の大学病院や特定機能病院など,高度な医療を提供する医療機関で,最新・最善の医療技術を学ぶことができるような内容となっている.
    このような教育を受けた「慢性呼吸器疾患看護」認定看護師は,平成24年には誕生する予定であり,今後,全国の医療施設で活動が期待される.
  • 津田 徹, 中山 初美, 廣畑 正巳, 松田 和人
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 51
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
  • 翁長 多代子
    原稿種別: ワークショップ
    2012 年 22 巻 1 号 p. 52
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
ランチョンセミナーⅣ
  • 西川 正憲
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2012 年 22 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV23)接種は,65歳以上のCOPD患者および65歳未満で対標準1秒量が40%未満のCOPD患者の肺炎の発生を低下させ,介護施設居住者の肺炎球菌性肺炎の発症を64%減少させ,肺炎球菌性肺炎による死亡率を低下させる.PPV23は,3価不活化インフルエンザワクチン(IV)との併用により,PPV23やIVの単独投与と比較して,寝たきり高齢者の肺炎による入院を半減させ,高齢者の肺炎医療費を抑制し,COPD患者の感染性増悪を減らし,外来通院する慢性疾患を有する高齢者の肺炎による入院を減少させ,高齢者の医療費削減につながる.わが国でのPPV23の認知度は米国に比して低い.PPV23の普及には,接種費用の公費助成とともに,日常診療における適切な病診連携の構築による医療者の啓発と患者教育が大切である.私たちが「元気な高齢社会」を享受するためには,IVとともにPPV23接種も積極的に推奨すべきと考えられる.
ランチョンセミナーⅤ
  • 山口 佳寿博, 大森 久光
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2012 年 22 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    喫煙に起因する疾患として最も重要なものはCOPDと肺癌である.近年施行された網羅的ゲノム解析(GWAS:genome-wide association study)の結果,両疾患には共通の疾患感受性遺伝子(促進,抑制)が存在することが明らかにされた.これらの事実は,FEV1.0を中心とする肺機能の測定は喫煙関連COPDの診断/管理に不可欠であるばかりではなく,COPDに合併する喫煙関連肺癌の発生を予測する臨床的に重要な指標を求めていることを意味する.しかしながら,肺機能の測定値をそのまま提示しても一般市民あるいは患者の理解を得ることが難しいことが指摘されている.この問題を解決するため,肺機能をわかりやすい年齢に変換して提示する“肺年齢”なる指標が導入された.しかしながら,現在使用されている肺年齢はFEV1.0の正常基準値を与える回帰式にFEV1.0(肺機能因子)と身長(体型因子)を代入し年齢を逆算するものであり,この方法には種々の問題が存在し肺機能の情報を正しく患者に伝達しているとはいいがたい.本稿では肺年齢がなぜ必要であるかの背景(COPDと肺癌の関連),その基礎的概念ならびに正しい評価法について理論的検討を加えた.
ランチョンセミナーⅧ
ランチョンセミナーⅨ
  • 宮崎 泰成, 上里 彰仁, 稲瀬 直彦
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2012 年 22 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    間質性肺炎患者は高齢者で多いため,高齢者社会になり増加している.その代表である特発性肺線維症の5年生存率は30%と予後不良である.一方で間質性肺炎の在宅酸素処方率は年々増えている.間質性肺炎において在宅酸素療法が生存率を改善させるというエビデンスは現在のところないが,本症に肺高血圧が合併すると予後不良であることがわかっている.したがって肺高血圧を悪化させる昼の低酸素(労作時の低酸素血症)と夜の低酸素(就寝時の低酸素血症)のチェックが在宅酸素処方の際に必要となる.
ランチョンセミナーⅩ
  • 藤本 圭作
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2012 年 22 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    喘息の管理は大きく変遷した.トータルコントロールを目指して治療をステップアップし,健常人と変わらない日常生活を送ることと将来のリスクを減らすことが治療の目的である.このため,症状や呼吸機能だけでなく気道炎症も客観的な指標としてコントロール状況を把握すること,また吸入療法の継続指導による適切な吸入手技の修得とアドヒアランスの向上が重要である.また,治療に対する反応性が不良な症例に対しては禁煙の徹底,環境整備,長時間作用性抗コリン薬(tiotropium)の併用,デバイスや吸入粒子径の異なる吸入薬への変更,新規治療薬である抗IgE抗体(オマリズマブ)の追加治療,合併症に対する治療の併用などを考える必要がある.
原著
  • 柳澤 幸夫, 松尾 善美, 直江 貢, 中村 武司, 堀内 宣昭
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 82-88
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    要介護認定者の直接的な死亡原因は肺炎であり,なかでも誤嚥性肺炎の予防は重要課題とされる.本研究では,在宅要介護認定者にホームトレーニングとしてEMTを実施し,EMT前後での呼吸機能・呼吸筋力・咳嗽能力を比較することによって,その効果を検討した.その結果,MEPとMIPは増加し,PEFとPCFも増加が認められた.したがって,EMTにてPCFが増加することで誤嚥性肺炎の発症を減少させる可能性があり,有用なホームトレーニングになり得ることが示唆された.
  • 片岡 弘明, 北山 奈緒美, 石川 淳, 宮崎 慎二郎, 荒川 裕佳子, 森 由弘
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者の外来での運動継続率が糖尿病患者,肥満患者と比較し低値であった.そこで,運動の実施状況や継続ができない理由,運動指導の改善点などを明確にすることを目的にアンケート調査を実施した.その結果,運動する時間・意欲がないと回答した者が多かった.運動の効果や方法を科学的根拠に基づいて指導するだけでなく,どのようにして患者の行動を適切な方向に導くかといった行動変容アプローチも必要である.
  • 有薗 信一, 谷口 博之, 近藤 康博, 木村 智樹, 片岡 健介, 小川 智也, 渡邉 文子, 平澤 純, 古川 拓朗, 三川 浩太郎, ...
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 94-98
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】運動負荷試験はさまざまな方法があり,6分間歩行テスト(6MWT),漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT),ランプ負荷による心肺運動負荷試験(CPX),定常負荷試験などが挙げられる.本研究では,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対して6MWTとISWT,CPX,定常負荷試験の低酸素血症や自覚症状の比較を検討した.
    【対象と方法】COPD患者104例に対し,6MWTとISWT,CPX,定常負荷試験を測定し,各テストの最低SpO2と終了時の呼吸困難感と下肢疲労感をボルグスケールで測定し,比較した.
    【結果】最低SpO2では6MWTは86.1%,ISWTは86.5%,CPXは90.3%,定常負荷試験は90.7%となり,6MWTとISWTがCPXと定常負荷試験より有意に低値であった(p<0.05).6MWTとISWT間では差を認めず,CPXと定常負荷試験間では差を認めなかった.終了時の呼吸困難感は定常負荷試験,CPX,ISWT,6MWTの順に有意に高度であった(7.4±2.1,6.6±2.0,6.0±1.8,5.3±2.1,p<0.05).終了時の下肢疲労感は定常負荷試験,CPX,ISWT,6MWTの順に有意に高度であった(7.6±2.2,6.2±2.6,4.5±2.4,3.6±1.8,p<0.05).
    【結語】4種の運動負荷試験のなかで,最低SpO2が強く現れたのは6MWTとISWTであった.終了時の呼吸困難感と下肢疲労感が一番強いのは,定常負荷試験であった.
  • 小池 友和, 藤谷 順子, 石塚 直樹, 藤本 雅史, 宇野 絵理, 石川 秀俊
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 99-104
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    トレッドミルを用いた6分間定速歩行負荷試験(TMWT)は再現性に優れ,歩行中の低酸素状態(desaturation)を正確に捉えることが可能であると報告されている.今回われわれは,TMWTでの評価項目を立案し,得られる情報を主成分分析により圧縮し,評価の有用性を検討した.第1主成分に寄与するのはSpO2(経皮的酸素飽和度)面積,SpO2回復面積,SpO2最低値,回復時間であった.第2主成分は安静時SpO2,修正Borg指数であり,第3主成分は,歩行速度であった.TMWTは歩行時のdesaturationをはじめさまざまな評価ができ,治療効果判定のみならず患者指導にも応用できることがわかった.
  • 岩井 宏治, 林 秀樹, 小熊 哲也, 今井 晋二
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 105-109
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性呼吸器疾患(CRD)患者に対し,CS-30テストと運動耐容能の関連について検討した.結果,CS-30テストは6MWTや肺機能検査値と高い相関を示し,精度の高い重回帰式が得られた.これらのことより,CRD患者においてCS-30テストが運動耐容能評価として有用である可能性が示唆され,利便性の高い評価法として応用が可能と思われた.本研究の課題として,病態の異なる疾患を対象としていることが挙げられる.また縦断的検討の必要が考えられた.
  • 山川 梨絵, 横山 仁志, 武市 尚也, 石阪 姿子, 渡邉 陽介, 横山 有里
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 110-114
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    咳嗽時の最大呼気流速(CPF)における測定の信頼性と妥当性について,入院患者145名を対象に検証した.その結果,検者内,検者間の級内相関係数は,ともに0.97と優秀であった(p<0.05).また,CPF値と呼吸機能の各指標との間には,有意な正相関を認め(r=0.51~0.86,p<0.05),排痰能力とも密接な関連を認めた(F=37.0,p<0.05).よって,CPF測定は優れた信頼性を有し,咳嗽の強さや排痰能力を良好に反映する評価指標であることが明らかとなった.
  • 高嶋 幸恵, 野添 匡史, 松下 和弘, 石井 真知子, 笹沼 里味, 間瀬 教史
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 115-119
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    歯磨き動作中の肺気量位および呼吸様式の変化を明らかにするため,健常男性16名を対象に3次元動作解析装置を用いて胸郭運動を測定した.測定は,椅子坐位で安静呼吸1分間,歯磨き動作を2分間実施し,肺気量位,呼吸様式を算出した.結果,安静時と比べ歯磨き動作時に呼吸数が増加し,肺気量位や呼吸様式の各パラメーターの変動係数も増加した.よって,歯磨き動作時は呼吸が速くなり,不規則な呼吸を呈しやすいことが明らかとなった.
  • 會田 啓介, 本間 敏明, 田中 健, 深澤 弘行, 萩谷 政明
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 120-124
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)を知るためには動脈血採血を行わなくてはならない.動脈血採血は疼痛を伴い,神経損傷のリスクもあることから比較的侵襲的な検査であり,頻回にはできない.そのため,耳朶に端子を挟むだけの非侵襲的方法で経皮的炭酸ガス分圧(PtcCO2)測定が可能な装置(TOSCA 500TM)を用い,各種肺疾患患者でPtcCO2を計測し,PaCO2と比較した.その結果,PtcCO2とPaCO2は各種肺疾患で良好な相関関係が得られた.装置の保守管理の煩雑さや経費,検査にかかる費用の点での問題はあるが,PtcCO2測定装置は低侵襲性連続換気情報モニターとして臨床的に有用である.
  • 山中 悠紀, 石川 朗, 奥野 裕佳子, 浦辺 幸夫, 金子 弘美, 大平 峰子
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 125-129
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    肺結核後遺症患者24例(75.8±6.5歳)の健康関連QOL(HRQOL)を包括的尺度であるSF-36を用いて評価し,国民標準値および慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者24例(75.5±5.0歳)と比較するとともに,HRQOLと栄養状態,呼吸機能,運動機能,ADLの関連性をCOPD患者との比較から検討した.その結果,肺結核後遺症患者では国民標準値と比較して7つの下位尺度に有意な低下を認め,多様な側面でのHRQOL障害の実態が示されるとともに, COPD患者と比較して日常役割機能に関連した2つの下位尺度が低値を示す特徴が明らかとなった.また,COPD患者ではSF-36の下位尺度と栄養状態,呼吸機能,運動機能,ADLに有意な相関を認めたが,肺結核後遺症患者では運動機能と一部の呼吸機能にのみ有意な相関を認め,HRQOL障害に影響する因子がCOPD患者より複雑である可能性が推察された.
  • 永井 仁志, 橘川 友理, 荒川 裕佳子, 森 由弘
    原稿種別: 原著
    2012 年 22 巻 1 号 p. 130-134
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    人間ドックで実施した呼吸機能検査を解析し,気流制限を有する患者の発見率を検討した.同時に肺年齢を算定し,その有用性も検討した.当院では2008年4月より全受診者を対象に呼吸機能検査を実施している.受診者1612名(平均年齢47.9歳,40歳以上1297名)を対象に呼吸機能検査と喫煙歴・症状アンケート調査を実施した.その結果から,全体の3.4%,40歳以上の3.5%に気流制限(1秒率<70%)を認めた.男性では喫煙歴が増加するとともに肺年齢と実年齢の差が大きくなる傾向がみられた.肺年齢は喫煙歴の長い受診者に自覚症状のない初期の呼吸機能低下を実感させるのに有益であると思われた.
総説
  • 嶋先 晃, 碓井 孝治, 藤吉 健史
    原稿種別: 総説
    2012 年 22 巻 1 号 p. 135-138
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    当院では2002年からICUを活動拠点とする呼吸療法専任の理学療法士を配置している.専任配置によるメリットは大きく,急性期呼吸理学療法や早期リハビリテーションが充実したことに加え,医師や看護師,臨床工学技士との連携が飛躍的に改善した.呼吸ケアチームが設立された現在,チームメンバーとともに広く呼吸療法業務にかかわっており,人的資源の不足しがちな地域医療の現場での一役を担っている.
  • 志馬 伸朗
    原稿種別: 総説
    2012 年 22 巻 1 号 p. 139-143
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia: VAP)は人工呼吸中の患者に発生する最も高頻度で重篤な合併症である.その発生機序には,広義の誤嚥が大きく関与している.誤嚥への対応策を中心に,現時点までにランダム化比較試験やメタ解析により有効性が確認されたVAP予防策をまとめた.消化管液の逆流を避けつつ気道分泌物のドレナージを促す体位管理,経十二指腸・小腸経路による経腸栄養,カフ上部吸引口付きチューブによるカフ上部分泌物の吸引,さらには適切な呼吸終末持続陽圧(PEEP)の使用などが,誤嚥防止観点からVAP予防に有効な介入である.これら予防策の確実な適用のためには,サーベイランスによる評価,医療従事者への教育などが必要である.
症例報告
  • 柳田 仁子, 菅原 慶勇, 山田 公子, 佐々木 美弥子, 渡部 郁子, 高橋 仁美, 本間 光信, 武藤 直将, 佐竹 將宏, 塩谷 隆信
    原稿種別: 症例報告
    2012 年 22 巻 1 号 p. 144-151
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    包括的呼吸リハを継続しているCOPD患者で進行性体重減少を呈する1症例に対し,濃厚流動食を用いた栄養療法を1年間継続したところ,体重が維持され,呼吸筋力や運動耐容能の低下を防止できた.症例は71歳,男性.主訴は労作時呼吸困難.現症は,病期分類Ⅳ期,体重43.5 kg,BMI 16.9 kg/m2,FFMI 14.3 kg/m2,エネルギー充足率91.5%,REE 1431 kcal,hsCRP 1.1 mg/L,6MWD 73 mであった.本例に,月に1回の栄養指導に加え,流動食(200 kcal/本)を1日2本継続摂取させた.1年後,病期分類Ⅳ期,体重42.6 kg,BMI 16.6 kg/m2,FFMI13.7 kg/m2,エネルギー充足率88.4%,REE 1430 kcal,hsCRP 0.8 mg/L,6MWD 88 mで維持されていた.本例の効果は,包括的呼吸リハ継続中のCOPDにおける,流動食を利用した積極的な栄養補充の有用性を示唆すると考えられた.
支部会報告
  • 有田 健一
    原稿種別: 支部会報告
    2012 年 22 巻 1 号 p. 152-158
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル オープンアクセス
    日本呼吸ケア・リハビリテーション学会中国・四国支部会員210名に対し,支部の今後の方向性を考える材料を得る目的でアンケート調査を行った(回収率63%).日常業務が本学会の扱う領域に重なっていたことやその分野に興味があったことが本学会入会理由の上位を占めた.休暇の取りにくさや旅費を含む諸経費など学会参加への阻害要因はあるものの,仕事への刺激を受け他職種の働きを知ることができるとされたこの学会には,今後,終末期の対応や緩和療法としての呼吸療法・呼吸リハビリテーション,地域を巻き込んだ呼吸療法や呼吸リハビリテーションのシステム作り,チーム連携などに力を入れることが期待された.支部主催の研究会の開催や学会の認定制度に期待する回答も多かった.社会への貢献を目指して支部目標を設定し,満足感や充実感を感じる支部活動と議論が必要である.そのためにも支部規約を整備し,支部としての組織作りを進めなければならない.
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