日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ランチョンセミナーⅩ
喘息のトータルコントロールを目指して
藤本 圭作
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2012 年 22 巻 1 号 p. 77-81

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抄録

喘息の管理は大きく変遷した.トータルコントロールを目指して治療をステップアップし,健常人と変わらない日常生活を送ることと将来のリスクを減らすことが治療の目的である.このため,症状や呼吸機能だけでなく気道炎症も客観的な指標としてコントロール状況を把握すること,また吸入療法の継続指導による適切な吸入手技の修得とアドヒアランスの向上が重要である.また,治療に対する反応性が不良な症例に対しては禁煙の徹底,環境整備,長時間作用性抗コリン薬(tiotropium)の併用,デバイスや吸入粒子径の異なる吸入薬への変更,新規治療薬である抗IgE抗体(オマリズマブ)の追加治療,合併症に対する治療の併用などを考える必要がある.

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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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