日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
COPDにおける重症度とLINQで評価した情報との関係
小海 菊江藤森 勝也新保 憲孝小野塚 久美子
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2012 年 22 巻 2 号 p. 217-220

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抄録
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の在宅生活において,セルフマネジメント(自己管理)は重要である.今回,COPD重症度別にセルフマネジメントに必要な情報についてLINQを用いて評価検討した.対象は,当院通院中のCOPD患者20名.すべて男性.平均年齢76.2±5.5歳であった.
方法は,対象のBMI,MRC,呼吸機能,6分間歩行試験とそのときのBorg scale,LINQ総スコア,LINQの各ドメインのスコアを調査した.%FEV1.0 50%以上を中等症,50%未満を重症・最重症として,2群に分け解析した.重症・最重症では,中等症に比べてBorg scaleが有意に高かった(p<0.01).さらにLINQ総スコア,ドメイン別スコアでは,「病気の理解度」「運動」のスコアが中等症で有意に高く(p<0.01),情報の不足を認めた.LINQ総スコア,「運動」のスコアは,過去3年間の入院期間と有意な負の相関を認めた(p<0.01).中等症のCOPDでは,自己管理のための情報が不足しており,その要因として患者教育が不足していると推定された.
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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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