抄録
【目的】特発性肺線維症(IPF)について,生命予後をアウトカムにしたさまざまな分類が報告されているが,その多くはADL,健康関連QOL(HRQOL)について比較していない.本研究はIPFの分類方法ごとに,運動機能,ADL,HRQOLを比較することを目的とした.【方法】外来通院中の安定したIPF患者を対象とし,厚生労働省特定疾患認定基準における重症度分類,mMRC,GAP stage,それぞれにおいて2群に分け,大腿四頭筋筋力,6MWT,ADL,HRQOLを比較した.【結果】いずれの分類方法で比較しても,大腿四頭筋筋力には有意な差を認めず,6MWDには有意な差を認めた.ADLは,mMRCおよびGAP stageで比較した場合に,HRQOLは,mMRCで比較した場合に有意な差を認めた.【結論】検査値より自覚症状で分類し比較したほうが,ADL,HRQOLに差が出ることが明らかになった.