抄録
呼吸器教室で歩行時のSpO2や息苦しさの変化を知り,歩行のペース,休息の取り方や運動前の短時間作用型気管支拡張薬(SABA: short acting bete2-agonist)の吸入のタイミングを学ぶことを目的に歩行体験を導入した.講義後に1周50 mの廊下を最大努力で歩行し,前後のSpO2と脈拍,Borgスケールを比較した.COPDアセスメントテスト(CAT: COPD Assessment Test)と歩行に対する思いを質問紙で調査し,患者教育における歩行体験の効果を分析した.歩行前後でSpO2が3.8%低下,Borgスケールは歩行前が平均0.5点で歩行後が平均2点であった.質問紙では「歩行後に苦しくなった」「酸素が考えていたより下がって驚いた」等の回答があり,SpO2が低下しても自覚症状が乏しいことやSpO2の低下や脈拍の上昇からgradeⅢ以上では運動前のSABAの使用や酸素投与の必要性が示唆された.限られた時間内での歩行体験や参加者の要望に沿った講義を実施し,自己管理能力が向上できるような教室を開催していくことが今後の課題となった.