日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップⅢ
気道クリアランス法の選択基準
宮川 哲夫
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2014 年 24 巻 3 号 p. 298-305

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抄録
排痰の生理学について,喀痰レオロジーや肺メカ二クスの気道クリアランスに対する影響について述べた.気道クリアランスに重要な因子は,痰の降状値を超えるcritical opening pressureを作り末梢気道へのエアーエントリーが得られれば,次に吸気流量より呼気流量を増加させることにより痰を中枢気道に移動させる.また,薬物療法・吸入療法や胸壁振動を併用し,痰粘弾性を調節することも重要である.気道クリアランス法の選択においては,排痰体位を取り,色々な気道クリアランス法を併用するが,病態(無気肺・痰粘弾性・深呼吸の有無,最大咳流量,年齢,耐性)に合わせた気道クリアランス法を選択する.そして改善困難な場合には,気道内と胸郭外からの両者を併用した気道クリアランス法を選択する.
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© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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