抄録
慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease: COPD)における栄養障害は,「エネルギー消費量の増大」「摂取エネルギー量の減少によるエネルギー不足」と,それに伴う筋タンパクの異化亢進であり,体重減少リスクも高いことが特徴である.COPDの栄養状態は呼吸リハビリテーションの効果にも影響を与えることから,管理栄養士は呼吸リハビリテーションスタッフの重要な一員として関連職種と密接な連携をとることが望ましい.しかし,COPD患者の栄養管理は疾患が重症化し栄養障害が進行してから介入が始まることが多いこと,ライフスタイルに合わせた継続的なセルフマネジメントによる栄養管理が必要なことなどの問題がある.より効率的な呼吸リハビリテーションを行うためには,多職種がチームとして連携し,さらに患者自身が栄養療法の必要性を理解し,自己管理能力を高めることが大切であると思われる.