日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ワークショップI
呼吸器疾患における栄養管理
――理学療法士の立場から――
菅原 慶勇山田 公子高橋 仁美柏倉 剛本間 光信塩谷 隆信
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2015 年 25 巻 1 号 p. 33-37

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抄録
COPDの有無に関わらず,身体活動量の低度への推移は死亡リスクの増加を招く.COPDの栄養状態は,症状,障害,予後の重要な決定因子である.以上から,COPDの経過中の体重減少を防ぎ,身体活動量を上げることが重要となる.日常的に低強度運動を行っている39例を介入前の%IBWが90%以上群と未満群の2群に分け,介入前の栄養状態が栄養補給の上乗せ効果に及ぼす影響をみたところ,両群とも介入3カ月後に,体重,BMI,エネルギー摂取量が有意に増加し,%IBW90%未満群では,GNRI,脂肪量指数,プレアルブミン,PImax,大腿四頭筋筋力が,%IBW90%以上群では,%IBW,握力,6MWDが有意に増加した.しかし,%IBW90%未満群の栄養補給療法介入後の%IBW,GNRIおよびFFMIの値は,おおよそ積極的な栄養補給の適応範囲に留まっていた.運動療法と栄養補給療法は併用することが重要で,標準体重下での経過中の体重減少に対する予防としての栄養補給療法の介入が検討されなければならないと考える.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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